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私は英語学校で、作文で点数を稼ごうとして頑張ったわけだが、Sの指導がなかったらできなかったかもしれない。

もう1つSとの交流で忘れられないことがある。 私が、街で買った十字架のアクセサリーをしていった日のこと。
Sは私の胸元を見て、「クリスチャンなの?」と聞いた。 「別に、違うんだけど」と言ったら、「クリスチャンでないならしない方がいい」と言った。
彼女は日本で何年も暮らしたことSは秋からとても忙しくなってしまうと言い、自分の友だちを1人紹介してくれた。 その子は「日系二世」、つまり、両親が移住してきた日本人で、私の目からはまったく日本語も完璧なように感じられたが、本人にすれば敬語表現などに不安があるとのことであった。
「M」という名前で、キャンパスではMと呼ばれていた。 まだ学部の学生で、ストレートの長い黒髪が、コロンビアのキャンパスでは特に可愛らしく見えた。
彼女はボランティア活動があって、日本人が宗教に特別なこだわりをもたないこと、深い意味もなく宗教を「アクセサリー」にしてしまうことをよく知っているはずだった。 それでもなお、私の十字架を見て真剣な顔でそう言ったので、私はドキッとしたのだった。
Sはユダヤ教徒であった。 そのことを私も前から知っていたのだが、気にしたことはなかった。
でも、Sと会う日の私の「アクセサリー」は、もしかしたら彼女の気持ちを傷つけたのかもしれないと思った。 私は、アメリカで二度とそのアクセサリーを着けなかった。
ひょっとして日本人が、無意識のうちに無神経な行動をとっていないかと考えるようになった。 授業で、とても多忙な生活を送っていたため、夏休みの間だけの付き合いになってしまったが、学校では教わらないが学生生活には不可欠な口語表現をいくつか教えてくれたMは私のパートナーを降りるとき、1人男子学生を紹介してくれた。

Kという名前で、顔だちも日本人のようだったが、コリアン・アメリカンの2世であった。 彼はコロンビアの博士課程で仏教を勉強していたのだが、ついた先生が日本人で、もう1人だけいる学生も日本人、教材も日本語で、困りはてていたのだった。
彼は日本語がだいぶ話せたが、むずかしいテキストを独力で読むのはたいへんだと言った。 私は彼の教材を読んで、重要と思われる部分を指摘し、英語に訳して彼に聞かせることになった。
彼の研究テーマは、「J宗と天皇制との関係」であり、HやSの解説書、J宗や日本の仏教全般の系譜などが、主なテキストとなっていた。

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